ちびっこちびおに

『ちびっこちびおに』

文 あまんきみこ
絵 若山憲
出版社 偕成社
発行月 1975年1月
価格 ¥1,200+税


人間の町に行ってみたい、ちびおに。
あんまりせがむので、お母さんは観念して、
上着や帽子をあてがってやると、ちびおににこう言いました。

“どんな ことが あっても、これを ぬいでは だめよ。
もし、ちびおにだなんて わかったら、
ひどいめに あうんだからね。”

さて、いさんで家を飛び出したちびおに。
そこでたどり着いたのは、山のふもとの幼稚園でした  

* * * * * * *

お察しかもしれませんが、幼稚園で、ちびおにはみんなに正体がばれてしまいます。
それは、ちびおにの優しさゆえの行動からでした。

けれど、ちびおにが怖くないことが分かると、子どもたちはみんな、ちびおにを歓迎してくれました。

「せつぶんには、まめを まくから、
ほかの ひに おいで。」

帰り際のそんな一言にも、にっこりしてしまいました。

『おにたのぼうし』(ポプラ社刊)や『ちいちゃんのかげおくり』(あかね書房刊)の作者、あまんきみこさんと、「こぐまちゃんえほん」シリーズでお馴染み、わかやまけんさんの、あたたかな可愛いおはなしです。