メリーメリーおとまりにでかける

『メリーメリー おとまりにでかける』

ジョーン・G・ロビンソン 作・絵
小宮由 訳
出版社 岩波書店
発行年月日 2017年3月17日
定価 本体1300円+税


メリーメリーは、小さな女の子。5人きょうだいの末っ子です。
本当はメリーという名前なのですが、みんなからは赤ちゃん扱いされて、メリーメリーと呼ばれています。

お姉ちゃんやお兄ちゃんたちには、よく叱られるし、邪魔者扱いされることもあれば、ときには置いてけぼりをくらうことも。
それ故、メリーメリーには、何もない、ひとりの時間があって、だからこそ、自分で考える時間がたっぷりあるのだと思います。

そんなメリーメリーが思い付くことは、たいてい斬新で、ユニークで、とびきりのユーモアに満ちています。
だから、最後に笑うのは、いつもメリーメリー。みんなはあっけにとられたり、一緒になって笑顔になったり……。

この『メリーメリーおとまりにでかける』には、「メリーメリーおきゃくさんになる」、「メリーメリーおこづかいをかせぐ」、「メリーメリーのおりょうり」、「メリーメリーのハンドバッグ」、「メリーメリーおとまりにでかける」の5話が収録されています。

「メリーメリー」シリーズは、本書のほかに『メリーメリーのびっくりプレゼント』、『メリーメリーへんしんする』があり、それぞれ5話ずつ、全15話が3冊の本に収録されています。


また、3作目『メリーメリーへんしんする』には、訳者である小宮由さんのあとがきが添えられていて、そこには、この作品に登場する大人たちの存在にも触れられています。

あとがきにあった "すばらしいおとな" という言葉から、最初に思い浮かんだのは「こぐまのくんちゃん」の先生、それからお父さんお母さん。「フランシス」のお父さんとお母さんも好きだし、『もりのなか』のお父さんもいいなあ。
大人に焦点を当てて作品と向き合ってみるのも、おもしろいです。

すばらしいおとな。理想的なおとな。みなさんは、どの絵本の誰を思い浮かべますか?