ゆきのひのゆうびんやさん

『ゆきのひのゆうびんやさん』

こいでたん 文
こいでやすこ 絵
出版社 福音館書店
発行年月日 1992年10月30日
※「福音館のペーパーバック絵本」1987年11月発行
本体価格 900円+税


ある雪の日のこと。
三匹のねずみの家へ、うさぎの郵便屋さんが小包を届けにきました。
ところが、郵便屋さんは風邪をひいていて、ふらふらしています。

そこで三匹は、郵便屋さんの代わりに、配達に出掛けることにしました。

ところが、だんだん雪と風が強くなってきました。配達も残りあと一軒というところで、三匹のねずみは雪の中に吹き飛ばされてしまって……!?

* * * * *

この「三びきのねずみ」シリーズは、全部で4作あります。
『とんとんとめてくださいな』
『ゆきのひのゆうびんやさん』
『はるですはるのおおそうじ』
『とてもとてもあついひ』(いずれも福音館書店刊)

すべて、小出淡さんと小出保子さんご夫婦による共作で、おはなしはちょっぴりハラハラ、でも最後にはほっと一安心!の、朗らかで楽しいシリーズです。

『はるですはるのおおそうじ』でも思いましたが、三匹のねずみは、頼まれると断れなかったり、この『ゆきのひのゆうびんやさん』では、困っている人を放っておけなかったりと、
読んでいるわたしたちは、ちょっぴりひやひやする場面もありますが、三匹ともに、素直でやさしい心の持ち主です。

ちなみに三匹は、いつも赤と青と黄色のものをそれぞれ身に着けているのですが、わたしはどうも、その中の赤い子が、気になって仕方なくって。というのも、『とんとんとめてくださいな』では、この子だけ、一大事にぐっすり眠っているし、『はるですはるのおおそうじ』で、率先して動物たちに家のものをあげちゃうのはこの子だし……(笑)

この三匹は、きょうだいなのかな。だとしたら、甘えん坊のところもあるし、赤い子は1番末っ子なのかなあなんて、勝手に想像してしまいます。

来年は、ねずみどし。
シリーズの4作は、それぞれ春・夏・秋・冬を舞台にしているので、1年を通して、1冊ずつ楽しんでみるのもおすすめです。