育育児典

『育育児典』 

 毛利子来、山田真 著
出版社 岩波書店
発行年月日 2007年10月26日
定価 4,180円
(本体3,800円+税)


 お店をはじめてから毎日続けてきた「今日の1冊」も、今日を含めて、残りあと3冊。

ご紹介しきれなかった本は、まだまだありますが、 せっかく産休・育休を経て営業を再開できたので、その経験も少し織り交ぜて、最後の3冊を選びました。

残りの2冊は絵本をご紹介するとして、今日は、この『育育児典』を。

 「暮らし編」と「病気編」の全2巻からなり、「暮らし編」は、妊娠から5歳のころまでの、子どものようすや育てかたを、「病気編」は、月齢や年齢に関係なく、病気別に、その症状や治療方法について書かれています。

特にわたしが妊娠中からお世話になったのは、「暮らし編」です。
実際に役立つ子育ての知識や技術はもちろん、母親が、産後、家族や社会とどう関わっていくか、ひいては人生のことまで、さまざまな視点で育児について書かれています。

おおよその月齢ごとに書かれたページを、子どもの成長に沿って読み進めてきましたが、ときには思いがけず目頭が熱くなったことも。

とはいえ、「病気編」も欠かせません。
我が子はまだ大きな病気をしたことがありませんが、子どもが熱を出したとき、頭を打ったときなど、さまざまな場面でお世話になりました。
また、薬についての基礎知識を学んだり、これからかかるかもしれない病気について予習をしたりしました。これからも、度々お世話になるだろうと思います。

 「暮らし編」を担当された毛利子来さんは、「疑問や不安や迷いや悩みに対応し、判断のしかたと切り抜けかたを提供し、気持ちを楽に子育てができるようにする」ことを執筆にあたって心がけたことのひとつだと話し、
 「病気編」を担当された山田真さんも、「安心して、のん気に子育てをしてもらえるといいな、と思ってこの本を書きました」と書かれていました。 

 この本の冒頭にもありますが、母親だけでなく、父親や祖父母など、子どもを取り巻く人たち、保育園や幼稚園、小児科など、子どものいる職場で働く人たちにも、活用していただける本だと思います。 
  
ちなみに、わたしはこの他に、
『子どもに伝えたい春夏秋冬和の行事を楽しむ絵本』(三浦康子/著 永岡書店)や、
『いっしょにあそぼうわらべうた―0・1・2歳児クラス編―』(コダーイ芸術教育研究所/著 明治図書出版)を、育育児典と合わせて手の届くところに置いていました。
 
 わらべうたの本は、まず最初に手に取るなら、以前にもご紹介した『「気になる子」のわらべうた』もおすすめです。

他にも、まどみちおさんの『ぞうさん』や、写真を撮り忘れましたが、白井明大さんの『歌声は贈りもの』も、何度も歌いました。(いずれも福音館書店)

絵本を読むもよし、歌を歌ったり、わらべうたをしたりするもよし。

今日は、子育てが、より気楽に、より楽しくなるような本をご紹介しました。

残念ながら『ぞうさん』は現在品切れですが、お歌の絵本は、この他にもたくさんあります。
まだ言葉が話せなくても、子どもが大人に歌を歌ってほしいとき、子どもはその本を差し出すだけで良いのも、歌絵本の良いところです。