おやすみ グランまま社

『おやすみ』

中川李枝子 作
山脇百合子 絵
出版社 グランまま社
発行年月日 1986年5月18日
定価 836円 (本体760円+税)


どろんこになるまで遊んだら、おふろに入って、ごはんを食べて。
歯を磨いたら、おはなしきいて、こもりうたきいて。
眠たくなったら、お布団でむにゃむにゃ……

そんな、1日の終わりを、
リズミカルな短い文章と、あたたかみのある絵で綴った、シンプルな絵本です。

当店の定番絵本として、ピエニシルタの棚にはいつもありましたし、

“たくさん あそんで
どろんこ
どろんこ
ああ おもしろかった”

“おふろに はいって
きれい
きれい
ああ いいきもち”

と続く文章は、声に出すと心地よく、大好きな1冊でした。

とはいえ、本書が、わたしにとってかけがえのない1冊になったのは、
出産を経て、子どもに絵本を読むようになってから。
思いがけず心に響いたフレーズがあったからでした。

それは、最後のページで、

“あしたは なにして あそぼうか

おやすみ
おやすみ
むにゃ むにゃ むにゃ”

の、ところ。

これまで幾度となく読んでいた文章なのに、
久しぶりに本書を開いて読んだ
“あしたは なにして あそぼうか” という一文に、
なんだか、ハッとしてしまいました。

もちろん、絵本やわらべうたを楽しんだり、散歩へ出かけたりと、
日々なにかをして遊んでいたはずなのですが、
夜の寝かしつけに、明日は何して遊ぼうか、という楽しい気持ち、持てていなかったかも、と。

そんなこと、と思われるかもしれませんが、
当時は目からウロコのような気分で、
そう気がついてから、夜寝る前の時間を、
すこし前向きな気持ちで過ごせるようになりました。

そして、これまでひとりごとのように言っていた “あしたは なにして あそぼうか” のフレーズも、
最近は、「ぱんぽ!(さんぽ!)」、「かきかき!(おえかき!)」と、返事が返ってくるようになりました。

それが、とってもうれしい。

ちなみに、本書は2部作で、『おやすみ』のほかに『おはよう』があります。


作者は、「ぐりとぐら」でおなじみ、中川李枝子さん山脇百合子さんご姉妹。

いずれも、すでに店頭販売分は売り切れてしまいましたが、
もし気になっていただけたら、ぜひお近くの本屋さんで探してみてください。
お子さまに読むのはもちろん、出産のお祝いや1歳のお誕生日プレゼントにもおすすめです。