あめのひのくまちゃん

『あめのひのくまちゃん』

作 高橋和枝
出版社 アリス館
発行日 2013年10月25日
価格 ¥1,300+税


午後遅くなって雨が降ってきました。家の窓から外を眺めていたくまちゃんは、さっきまで遊んでいた野原が今頃どうなっているのか見に行くことにしました。雨の野原ではかえるやみみずが集まって、雨のしずくが葉っぱの上をすべる様子に大喜び。雨のお池では小さな輪っかがいくつも浮かんでは消え、お池の底ではかにの子が「ふしぎだねえ!」と眺めています。ところが林の中では、たくさんの葉っぱが屋根のように広がっていて、りすたちは雨に気付いていません。先に気が付いたのは、雨のにおい。「なんだか しめった においが するよ」と、こりすが言いました。
きれいで、ふしぎで、いつもと違うにおいがして・・・。そんな雨の日の、おだやかな様子が描かれています。

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かわいいくまちゃん。ブルーのズボンに、きいろい傘ときいろい長靴がとてもよく似合っています。
野原を見に行ってくると言ったくまちゃんに「おやまあ」と驚くお母さんですが、それでも「おそくならないうちに かえっておいで」と送り出してくれ、帰りも家の前で待っていてくれていて「あめの なか さむかったでしょう」とくまちゃんを迎えてくれます。おだやかなストーリーとやわらかな質感がとても良く合っていて、灰色の空さえもなんだかあたたかい。

ぽと ぽと
ぴちょん ぴちょん
ぱらぱら ぱらぱら

雨の音がやさしく響く1冊です。