いってらっしゃーいいってきまーす

『いってらっしゃーいいってきまーす』

作 神沢利子
絵 林明子
出版社 福音館書店
発行日 1985年4月1日
※月刊「こどものとも」1983年7月1日発行
価格 ¥800+税

pieni silta

なおちゃんちで、朝1番先に出掛けるのはお母さん。だからなおちゃんは、お父さんと自転車に乗って保育園へ行きます。たばこ屋のおばあちゃんに自転車から「おはよう」と手を振って、まだほとんどシャッターが閉まっている商店街の前を通ると保育園に着きました。なおちゃんは、保育園でおうちごっこをしたり、給食を食べたり、お昼寝をしたり。夕方になると、お母さんが迎えにきました。夕飯の野菜やお肉を買って帰ります。
なおちゃんが保育園に行って帰ってくるまでの景色を、丁寧に描いた1冊です。


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お父さんと自転車で向かう行き道は、少し離れたところからなおちゃんたちを見ているような広い構図で描かれています。反対にお母さんと手を繋いで歩く帰り道は、なおちゃんの視点でお母さんの腰より下の、低い目線で描かれています。その対比がとてもおもしろくて、行き道と帰り道を見比べるだけでも本当にわくわくします。
林明子さんの描く絵はあたたかみがあって、筒井頼子さんとの絵本『はじめてのおつかい』や『とんことり』などにも見られるように、登場人物がリンクしていたり、ストーリーとは別にちょっとしたストーリーが隠れていたりと、じっくり書き込まれた絵が魅力的です。本書では、神沢利子さんとの絵本『ぱんだいすき』の子どもたちがこっそり登場していたり、なおちゃんの1日にそったお話かと思えば、表紙にいる小さな動物たちの1日も描かれていたりと、この他にも楽しい発見がたくさん!
お話をたっぷり楽しんだあとは、ぜひ絵もじっくりと味わってみてくださいね。