とんとんとんだれですか

『とんとんとんだれですか』

作 はやしますみ
装幀 羽島一希
出版社 岩崎書店
発行日 2012年1月31日
価格 ¥1,300+税


何かが起こりそうな、ある夜のこと。

「とんとんとん・・・」と、ドアをノックする音が聞こえました。ドアに映る影を見ると、角があって、大きな耳があって、トゲトゲの金棒を持っているような・・・
と思ったら。がちゃりと扉を開けて、さるくんと、くまくんと、はりねずみくんが、楽器を持って入ってきました。
あーよかった。影だけ見たら、まるで鬼さんだったのにね。

そのあとも、次々とノックが続き、ドアに映る影からは予想もつかないような動物が、それぞれに楽器を持って入ってきます。

みんな集まって、いったい何が始まるのかな?

* * * * * * *

当店では、毎月第3土曜日の午前中に、絵本のおはなし会を開催しています。今日はちょうどその日で、大きい子(3歳くらいから)の時間に、前から読みたかったこの絵本を読みました。

お話を進めながら、「なんの動物かな?」とあてっこをしながら楽しめる絵本ですが、このあてっこが実はかなり高度なんです。頭をひとひねり、ふたりねりしても、なかなか当てられないくらい難しい。
でも、ここがこの絵本のおもしろいところでもあります。影を見て、ぱっと想像がつくものとはまったく違うものが、扉を開けて現れる。分かってはいても、子どもたちはやっぱり一目見たイメージで答えてしまうので、見事に裏切られる。その驚きがおもしろかったようで、「えー!」とか「 ○○ やと思ったのにー!」なんて言いながら、みんなでたっぷり楽しみました。

読み終わったあとは、もう一度はじめからパラパラめくって(私は子どもたちに「覚えてる?」なんていじわるを言いながら)、再度チャレンジ。そうすると、お母さんたちより子どもたちの方がよく覚えていて、私たち大人はすっかり感心してしまいました。

なにはともあれ、わくわくするような、素敵な夜のお話です。