もりのかくれんぼう

『もりのかくれんぼう』

作 末吉暁子
絵 林明子
出版社 福音館書店
発行月 1978年11月
価格 ¥1,000+税


けいこは、お兄ちゃんを追いかけて、見たこともない大きな森にたどり着きました。しいんとした森の道を歩いていくと、そこでけいこは、誰かの声を耳にしました。
けれど、いくらきょろきょろしても、誰の姿も見えません。
ところが、見方を変えるとびっくり!そこに隠れていたのは、枝や木の葉と同じ色をした男の子、「もりのかくれんぼう」でした。

そこでけいこは、かくれんぼうと森の動物たちといっしょに、みんなでかくれんぼをすることになりました。

* * * * * * *

小学生のころ、私もけいこちゃんと同じようにかくれんぼが大好きで、ところ構わずよくかくれんぼをして遊んでいました。
特に、家でかくれんぼをするときは、たいてい隠れる場所が決まっていて、1番のお気に入りはクローゼットの中でした。
でも、なかなか見つけてもらえないと、もしかして私のことをうっかり忘れちゃったんじゃないかとか、もしかしてみんなはもう別の遊びをしているんじゃないかとか、だんだん不安になって、結局自分から見つかりに出て行っちゃう、なんてこともよくありました。

それでも、かくれんぼは楽しくて。隠れている間のハラハラドキドキする気持ちや、逆に自分が鬼になって、隠れている友だちを見つけたときの嬉しさは、やっぱり特別なものがあるような気がします。

けいこちゃんのかくれんぼは、まるで夢のようなかくれんぼです。
かくし絵のように描かれた、かくれんぼうや動物たちは、じーっと目を凝らさないとなかなか見つけられないかもしれません。
でも、その中からみんなを見つけられたときの嬉しさといったら!
(表紙に隠れている誰かさんには、もう気がつかれましたか?)

小金色をした森の中も、とってもきれいで、うっとりします。
そうそう、このけいこちゃん、実は林明子さんの絵の、別の絵本にも登場しています。ほんの一場面ですが、良ければ探してみてくださいね。