もりいちばんのおともだち

おおきなクマさんとちいさなヤマネくん
『もりいちばんのおともだち』

作 ふくざわゆみこ
出版社 福音館書店
発行日 2002年10月15日
価格 ¥1,200+税


小さいものが好きな大きなクマさんと、大きいものが好きな小さなヤマネくん。
そんな2人は、森1番の仲良しでした。

ある日2人がケーキ屋さんでケーキを食べると、ブルドックの店長さんが、プレゼントに花の苗をくれると言いました。
そこで、クマさんは1番小さな苗を、ヤマネくんは1番大きな苗を選びました。

小さかったクマさんの苗はどんどん大きくなって、大きなかぼちゃをたくさんつけました。ところが、ヤマネくんの苗はなかなか大きくならなくて、最後にはすっかり枯れてしまいました。

がっかりしたヤマネくんでしたが・・・。

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「おおきなクマさんとちいさなヤマネくん」シリーズは計4冊。
今日ご紹介した『もりいちばんのおともだち』が1作目で、
『ふゆじたくのおみせ』、
『めざめのもりのいちだいじ』、
『あめのもりのおくりもの』と続き、
それぞれ季節ごとの自然が描かれていて、すべて読むと、森の1年を感じることができます。

ふくざわゆみこさんの絵は、草花や昆虫などの細かいところまで本当に丁寧に描かれているので、絵本を手に取った子どもたちは、みんな嬉しそうにページをめくっています。
そんな子どもたちのキラキラした目を見るのが、私は大好きです。

クマさんとヤマネくんがケーキを食べるシーンでは、ケーキにのっているものひとつひとつに、「はちみつでつくったミツバチ」とか「ホワイトチョコレートのはな」なんて書いてあって、そんなところにもうきうきしてしまいます。
横23センチ×縦31センチと大きめの絵本なので、その絵をじっくり味わるのも嬉しいところです。

クマくんとヤマネくん。体の大きさこそ違えど、心の通った大切な友だち。そんな2人のやりとりが、心あたたまるお話です。