いいおかお

『いいおかお』

文 松谷みよ子
絵 瀬川康男 
出版社 童心社
発行日 1967年4月15日
価格 ¥700+税



ふうちゃんがひとりで“いいおかお”をしていたら、「いいおかお みせて」って、ねこが来ました。隣に並んだねこは、真似っこして“いいおかお”をしました。

そこへ、いぬが来て、ぞうも来て、みんなで“いいおかお”をしていると、お母さんがやってきて・・・?

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表紙に描かれているねこの顔が、とても好きです。ねこの体は、裏表紙まで続いていて、しっぽの先はなだらかに上を向いています。
本文中のページと見比べてみると、このねこの顔は、ふうちゃんに「いいおかお みせて」って言っているところです。

瀬川康男さんの、かすれた絵のタッチやしっとりした色使いだとか、松谷みよ子さんのやわらかな言葉の言い回しだとか、どこをとっても、とても味わい深い。
“いいおかお”って、いう定義もおもしろいですよね。ここではみんな、目を伏せて良い姿勢をするのが“いいおかお”のようですが(いぬだけ舌が出ていますけどね)、この本を読んだ子どもたちは、子どもたちなりの、“いいおかお”があったらいいと思います。