ちょろりんのすてきなセーター

『ちょろりんのすてきなセーター』

作 降矢なな
出版社 福音館書店
発行日 1993年3月1日
※月刊「こどものとも」1986年12月1日発行
価格 ¥800+税


ちょろりんは、寒がりやのとかげの子。
ある日、洋品店のガラス窓に、あたたかそうに膨らんだセーターを見つけました。
けれど、そのセーターを買うには、お金が少し足りません。
そこで、おじいちゃんの仕事のお手伝いをして、お金を稼ぐことにしたちょろりん。
やっとのことでお金をもらうと、急いでお店に向かいました。

ところが、なんと!
そのセーターは、ヘビのセーターだったのです。

すっかり落ち込んだちょろりんでしたが・・・。

* * * * * * *

“あたたかそうに ふくらんだ”、“はるの はらっぱいろをした”セーター。
本当にすてきなセーターです。黄色や緑や橙色・・・いろんな色が混ざり合った、胸がはずむようなセーターです。

それなのに、ヘビのセーターだったなんて・・・。

でも、こういう経験って、ときどきありませんか?
「良い色だなぁ」と思って広げてみたら七分丈で、長袖だったら良かったのにな・・・なんてこと。
「こういうのを探してた!」と思った靴が、自分のサイズなのに、どうしても自分の足に合わない、なんてこと。
だから、ちょろりんが落ち込む気持ちは、私もよーく分かります。

でも、ちょろりんはついてました!
だって洋品店の奥さんはとっても編み物上手で、ちゃんとちょろりんが着れるように、セーターを編み直してくれたんですから。

セーター、とっても似合っています。
よかったね、ちょろりん。