とらたとおおゆき
『とらたとおおゆき』
文 中川李枝子
絵 中川宗弥
出版社 福音館書店
発行日 1993年2月10日
価格 ¥800+税
※月刊「こどものとも年少版」1983年12月1日発行
トラの子とらたが、雪の山をおしりで滑っていると、お父さんがそりを作ってくれました。たくさん滑って、お家に帰ったとらた。なんとそこには、サンタクロースから、鈴の贈りものが届いていました。
早速その鈴をそりに付けて外に出ると、鈴の音を聞きつけた友だちが集まってきました。
さあ、みんなでそり遊びのはじまりです。
* * * * * * *
私は、中川宗弥さんの絵が大好きです。のびやかな細い線だとか、動物や子どもたちの、ぽってりとした愛らしいシルエットだとか、そういうところがすごく好きです。
そんな中川宗弥さんは、『ぐりとぐら』の中川李枝子さんの旦那さま。この『とらたとおおゆき』は、そんなご夫婦の共作です。
絵本のなかで、
「ひゅうー と すべって
ひゅうー と とんで
ぴゅん ぴゅん ぴゅん
りん りん りん」
という歌が出てきます。
声に出しやすくて、かわいくて、何度も口ずさみたくなります。
とらた、とらこ、うさきち、ろばこ、くまお、ぞうきち(なんの動物か、言わなくても分かってしまいますね!)の6人が乗ったそりは、もうぎゅうぎゅう。壊れやしないかとひやひやします。
でも、だいじょうぶ。
坂を下りたところでお話はおしまいですが、このあとも、きっとまた雪山をのぼって、なんども滑るんだろうなあ、なんて想像してしまいます。
※「とらた」のシリーズには、この他に『とらたとまるた』、『とらたとトラック』、『とらたとヨット』、『はじめてのゆき』がありますが、現在単行本として出版されているのは、残念ながら本書と『はじめてのゆき』のみです。他のものも気になられたら、ぜひ図書館などで探してみてくださいね。