こねこのミヌー
『こねこのミヌ―』
作 フランソワーズ
訳 きしだえりこ
出版社 のら書店
発行日 2006年5月
価格 ¥1, 300+税
※原書『MINOU』1962年(アメリカ)
ネネットちゃんは、
パリに住むちいさな女の子。
ある日、飼いねこのミヌーがいなくなって、
ネネットちゃんは、あっちこっちを探しました。
レストランに、本屋さん、
帽子屋さんに、パン屋さん・・・
どこを聞いて回っても、
やっぱりミヌーはいません。
そんなとき、
橋の下にいたおじさんが、
ミヌーは船に乗ったと言いました
* * * * * * *
ネネットちゃんの、心細く不安な気持ちが、こちらにもひしひしと伝わってきます。
それに、やっとのことで、ミヌーを見たという人に出会ったのに、もうミヌーは旅立ったあとだったなんて。
寂しそうに、川岸に座り込むネネットちゃん。
ところが最後の絵で、白いねこが1匹、ネネットちゃんの方へ向かって歩いています。(ネネットちゃんは、まだ気付いていないみたい)
きっとこのねこは、ミヌーなわけで(訳者の岸田衿子さんも、あとがきにそう書いていらっしゃるし・・・)、それまでつけていた青いリボンがないのも、船に乗ったときからだし・・・だからやっぱり、ミヌーのはず。
だけど、そうは書いていないのがこの絵本のすてきなところで、もしかすると・・・と、いろいろな想像を巡らせることができます。
フランス生まれのフランソワーズさんが描く、このおはなし。
舞台は、パリの町並み。お店の佇まい、町の人たちの髪型、洋服・・・どこを切り取っても、おしゃれで、かわいくて、わくわくします。
落ち着いた、きれいなピンク色の裏表紙も、すごくすてきだなあと思います。