かさかしてあげる
『かさかしてあげる』
作 こいでやすこ
出版社 福音館書店
発行年月日 2002年4月10日
※月刊「こどものとも年少版」1996年6月1日発行
価格 ¥800+税
雨が降ってきて、
傘のないなっちゃんは木の下で雨やどり。
そこへ、
「かさ かしてあげる。」
と、ありさんがやってきて、
小さな傘をなっちゃんに差し出してくれました。
(でも、なっちゃんにはちょっと小さすぎるみたい)
そのあとも、次々に動物たちがやってきては、
なっちゃんに傘を貸してくれます。
でも、ぴったりの傘は、なかなかなくて・・・
* * * * * * *
傘を持ってくる動物たちは、みんな自信たっぷりです。へへーん、この傘だったらいいだろう?なんていうふうに。(いえ、実際には言ってないんですけどね。顔がまるで、そう言っているみたいなんです。)
この絵本のすてきなところのひとつは、出番を待っているように、動物たちが、影からこっそりなっちゃんを見ているところ。なっちゃんの立っているうしろを、よーく見てみると、あっ!と、うれしくなります。ずっと、待っていたんだねって。私もさいしょは分からなかったのですが、そう分かると、もっとこの絵本が好きになりました。
「かさ かしてあげる。」の繰り返しと、短い文章。シンプルな絵本ですが、絵からは、文字として書かれていない音さえも(例えば、雨の降る音や、傘からこぼれる雫の音、水たまりを踏む音なんかが)、聞こえてくるようです。
なっちゃんを先頭に、傘を持って並ぶ動物たちの姿も、とっても楽しそうです。