いもうとのにゅういん

 
『いもうとのにゅういん』

作 筒井頼子
絵 林明子
出版社 福音館書店
発行年月日 1987年2月25日
※月刊「こどものとも」1983年2月1日発行
価格 ¥800+税


あさえが友だちのひろちゃんを連れて、
幼稚園から帰ってきました。

するとちょうど、
お母さんが妹のあやちゃんを、病院に連れて行くところでした。

間もなくして帰ってきたお母さん。

ところが、
あやちゃんが盲腸の手術をすることになったと言って、
荷物をまとめると、またすぐ病院に戻ってしまいました。

急に空が暗くなり、
雨が降る前に、ひろちゃんも帰ってしまいました。

あさえは、家にひとりきり。
大事な人形のほっぺこちゃんを抱きしめて、
お父さんの帰りを待ちました・・・。

* * * * * * *

本作は、『あさえとちいさいいもうと』のあさえと妹のあやちゃんが、少し大きくなったおはなしです。

とはいえ、あさえもまだまだ小さな女の子。ひとり残されたあさえの心細い気持ちが、痛いほどよく伝わってきます。

翌日、お父さんとお見舞いに行くことになったあさえは、あやちゃんに何を持って行こうかと、一生懸命考えます。折り紙で折ったつる、しゅりけん、ばらのはな、それからお手紙・・・。それでもまだ、あやちゃんを喜ばせようと、あさえはもっともっと考えます。

時にはけんかをしたり、我慢しなきゃならないことがあったり、いいことばかりじゃないきょうだいだけど、この本を読むと、きょうだいっていいなあと、つくづく思います。

心あたたまる、やさしいお話です。