歯いしゃのチュー先生

 
『歯いしゃのチュー先生』

作 ウィリアム・スタイグ
訳 うつみまお
出版社 評論社
発行年 1991年5月20日
価格 ¥1,300+税


歯いしゃのチュー先生は腕利きで、
いつも患者が絶えません。

でも、先生はネズミですから、
危険な動物の治療はお断りしています。
それが、どんなに大人しそうなネコだったとしても。

ところがそんなチュー先生のもとに、
ある日キツネがやってきました。

「ちりょうはできません!」
先生は窓から叫びました。

けれどキツネは、
涙をぽたぽたたらして痛がります。

そこで先生と奥さんは、
キツネを中に入れました  

* * * * * * *

小さな動物は歯医者の椅子に座れるけれど、それより大きな動物は、床に座って治療を受けます。先生はというと、はしごにのぼって治療をするんですよ。それじゃあ、はしごでも届かないくらい大きな動物の場合は・・・?それは、本を読んでからのおたのしみです。

さて、おはなしでは、チュー先生がキツネに食べられやしないかと、本当にハラハラします。気の優しいネズミの夫婦ですが、それが裏目に出るんじゃないかと・・・。

それでも、ハラハラするのと同じくらい、わくわくもして、ページをめくる手が止まりません。スタイグさんの絵本は、本当にユーモアがあっていいなあと思います。表紙の、ちょっと気取ったチュー先生の立ち姿だって、なんとも言えずおかしくて、かわいい。

ネズミの奥さんのワンピースや、キツネの背広など、おしゃれな洋服も見どころです。