くまくんのおともだち
『くまくんのおともだち』
文 E・H・ミナリック
絵 モーリス・センダック
訳 松岡享子
出版社 福音館書店
発行年 1972年6月1日
※原書『LITTLE BEAR’S FRIEND』(アメリカ)
価格 ¥1,000+税
ある日のこと、こぐまのくまくんは、
道に迷っていた1人の女の子と出会いました。
名前はエミリーと言って、
夏のあいだ、家族で森に来ていました。
くまくんとエミリーは、
すぐに友だちになりました。
2人は、あひるのあかちゃんのおもりをしたり、
ふくろうのパーティーに参加したり。
けれど夏が過ぎ、
エミリーは、とうとうくまくんに
さよならを言いにきました・・・。
* * * * * * *
全5巻からなる「はじめてよむどうわ」シリーズの、3作目のおはなしです。
本作もまた短編集になっていて、「くまくんとエミリー」、「あひるくんのおもり」、「ふくろうのパーティー」、「『あなたのともだち、こぐまのくまより』」の、4話が収録されています。
目をつぶると風のうたがきこえ、こりすやことりが集まってくる・・・そんな環境で、くまくんは暮らしています。センダックさんが描く細い線の絵は、とてもきれい。淡い緑と茶色で色付けされた挿し絵からは、森のにおいが、爽やかな風に乗って伝わってくるようです。
エミリーとの別れは切なく、くまくんにとって辛いものでもありましたが、父さんと母さんのすてきな提案のおかげで、沈んだ気持ちもすこし前を向けたようです。
離れていても、ずっと友だち。次の夏、また会えるかな?
2人の再会を想像すると、にっこりうれしい気持ちになります。
※簡単な漢字表記があります。