ねことらくん

『ねことらくん』

作 中川李枝子
絵 山脇百合子
出版社 福音館書店
発行年月日 2009年9月15日
※月刊「こどものとも」1981年4月1日
価格 ¥800+税


ゆうじのもとにやってきた“ねことら”は、
ねこはねこでも、とらぐらい強いねこ。

ゆうじは、自分のチョッキと
ねことらのしっぽを交換することにしました。

みんながびっくりするくらい、
うんと力持ちになったゆうじ。

「ねこは ねこでも ねことら ねことら、
きょうは なにして あそぼうか」

そう歌いながら歩いていくと、
向こうから「たすけてー」と声がして・・・。

* * * * * * *

主人公は、絵本『そらいろのたね』や『たからさがし』に登場するゆうじ。今回は、そんな彼が“ねことら”になるおはなしです。

“しっぽ”と“チョッキ”、交換するのがこの2つだなんて、なんだかおかしいですよね。でも、子どもたちにとって、そんな「アイテム」は、とっても大切。たとえ、それがチョッキであっても、たとえば、新聞紙で作った剣で勇者や侍に変身してしまうように、それが彼らにとっては、大きな役割を果たすんですよね。

それにしても、途中に、くまのおばさんが作ってくれたサンドイッチ、本当においしそうです。お部屋に、植物がたくさん飾ってあるのだとか、しいたけが干してあるのだとか、その生活ぶりが垣間見えるのも、いいなあと思います。