せんせい

『せんせい』

文 大場牧夫
絵 長新太
出版社 福音館書店
発行年月日 1996年2月15日
※月刊「かがくのとも」1992年4月号
定価 本体900円+税


“ねえ、みんな しっている?
せんせいって、ときどき うまだよ”

時にはお馬さんになって、子どもたちを背中に乗せてくれる先生。
時には鬼になって、みんなを追いかける先生。
またある時にはお客さんになって、ままごとの相手になってくれる先生……

そんな先生も、実はお家には子どもがいて、お家では「お母さん」。
それでいて、先生にもお母さんがいて、先生だけど「子ども」。

先生の持つさまざまな顔を、子どもたちの目線で語ります。

福音館書店さんの内容紹介には、「愉快ななぞなぞ形式で繰りひろげる、“先生ウォッチング”の絵本です」とありました。

先生ウォッチング!
まさに、その言葉がぴったりな絵本です。うまいなあ。

文章を手掛けるのは、保育者としての道を歩み続け、月刊「かがくのとも」1990年5月号の『ごちそうラディッシュ』(舟橋全二/絵)や、新保育内容シリーズ(萌文書林刊)の『表現言論』や『保育内容総論』、『子どもと人間関係』などの著者でもある大場牧夫さん。
絵は、お馴染み長新太さん。『わたし』(谷川俊太郎/文、福音館書店刊)にも通じるところがある内容です。

長らく品切れでしたが、この度「かがくのとも50周年記念出版」として、復刊されました。

この他にも、『めのはなし』(堀内誠一/作)や『みち』(五味太郎/絵・文)など計8冊の絵本が復刊されたほか、
月刊「かがくのとも」の全作品や、その歴史や込められた思いなどが収録された『かがくのとものもと』が刊行されました。

私は残念ながら子ども時代に「かがくのとも」には出会えなかったけれど、大人になって「かがくのとも」と出会って、はじめて知ったことや、興味を持ったこと、驚かされたことがたくさんありました。

きっと子どもたちにとって「かがくのとも」は、身近にあるたくさんの「ふしぎ」と繋がる、広い世界への扉のようなものなのだろうなあ、と思います。