ぼくは王さま

『ぼくは王さま(新・名作の愛蔵版)』

作 寺村輝夫
絵 和田誠
出版社 理論社
発行月 2000年1月
※日本の創作童話シリーズ版 1961年発行
価格 ¥1,200+税

pieni silta

“どこの おうちにも
こんな 王さま
ひとり
いるんですって”(本文冒頭より)

王さまはたまごやきが大好きで、赤ちゃんが生まれたときも、集まった人みんなにたまごやきをごちそうしたいとわがままを言ったり(そして、ぞうのたまごを持ってくればいいだなんて言うんですよ。おかしいですよね。)、またあるときは、潰れないしゃぼんだまを作ってくれだなんて言ったり(糸で繋いで首飾りにしたいだなんて言うんですよ。博士も大変です。)。
わがままで、ちょっぴりおばかさんで、でもなんだか憎めない。そんな王さまの愉快な物語です。

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“ぼくの王さま”といえば、現在の「ぼくは王さまの本」シリーズ(全21巻)や、フォア文庫版「ぼくは王さま全集」(全18巻)などをはじめ和歌山静子さんの描く王さまのイメージが定着していますが、1961年に発行された第1作目の『ぼくは王さま』の絵を手掛けられたのは和田誠さんで、その当時のものは長新太さんがその装幀を担当されたそう(ぜひ、手に取ってみたいなぁ)。
本書はその改訂版です。収録されているお話は、「ぞうのたまごのたまごやき」、「しゃぼんだまのくびかざり」、「ウソとホントの宝石ばこ」、「サーカスにはいった王さま」の4作。おかしくて、楽しくて、わくわくして。50年以上に渡り子どもたちから愛され続けているように、私もこの王さまが大好きです。